市民葬・区民葬とは?
葬儀を行う選択肢の一つに市民葬・区民葬があります。市民葬・区民葬と聞いても通常の葬儀と具体的に何が違うのか、イメージが湧かない方が多いと思います。
そこで今回は、市民葬・区民葬とは何か、申込方法やメリット・デメリットについてご紹介します。
市民葬・区民葬とは?
市民葬・区民葬とは自治体(各市町村)が市民・区民向けのサービスの一環として行っている葬儀プランのことで、自治体が提携している葬儀社が葬儀を行います。
自治体がプラン内容・料金を設定しているため、一般的な葬儀に比べると費用を抑えられることが大きな特徴です。
利用条件
市民葬・区民葬を利用するには、以下の2つの条件のうちいずれかに当てはまれば利用できます。
・亡くなった方がその自治体に住んでいた
・喪主がその自治体に住んでいる
申込方法
市民葬・区民葬を利用するには、ご自身で提携葬儀社に直接連絡をし、利用したい旨を伝えます。提携葬儀社の連絡先は自治体の市民課や出張所、公式サイト等で確認することができます。
なお、市民葬・区民葬は、すべての自治体が提供しているわけではありません。また、申込方法は自治体によって異なります。市民葬・区民葬を希望する場合は、あらかじめ役所や公式サイトで確認しておくとよいでしょう。
その際、分からないことなどがあれば役所だけでなく葬儀社でも確認することができます。
市民葬・区民葬のメリット
割安で葬儀が行える
市民葬・区民葬の一番のメリットは、「比較的費用が抑えられる」ということです。
「第4回お葬式に関する全国調査(2020年)」によると、葬儀にかかる費用の全国平均は約184.3万円です。これに対し市民葬・区民葬は、各自治体によって費用や規定は異なるものの、50万円程度で葬儀を行うことができます。
市民葬・区民葬の場合、故人もしくは喪主がその自治体に住んでいることが条件になるため、収入などの制限もなく、誰でも安く葬儀を行うことができます。
信頼できる葬儀社に依頼できる
利用できる葬儀社は自治体と提携を結んでいるという点で、信頼できる葬儀社を探す際の目安になるということもメリットの一つです。提携をするためには、自治体が提示する一定以上の水準を満たす必要があるため、安心して葬儀を依頼することができます。
市民葬・区民葬のデメリット
市民葬・区民葬を検討するのであれば、デメリットがあることも理解しておきましょう。
内容が質素である
市民葬・区民葬は価格を抑えられても、必要最低限のことを行う質素な内容になってしまうことが多いです。例えば、祭壇は白木祭壇しか選べなかったり、遺影写真が白黒のみであったりと質素な葬儀になる場合がほとんどです。
追加費用が高くなる場合がある
市民葬・区民葬で行われる葬儀は、自治体によってプランが様々で、内容が不十分であることが多いです。必要なものを追加しているうちに費用が高額になってしまうこともあります。例えば、ご遺体の搬送やドライアイスなどは別途追加となることが多いため、事前に確認が必要です。さらに、「故人らしい葬儀をしたい」「返礼品や料理を用意したい」ということになれば、その都度、追加料金がかかります。
最近では、多くの葬儀社でお得なセットプランを用意しています。そのため、葬儀の内容や依頼する葬儀社によっては、市民葬・区民葬よりも通常の葬儀の方がより希望条件に合う場合があります。最後のお別れをどのようにしたいのかを考えて検討するようにしましょう。
まとめ
市民葬・区民葬は、自治体によってそれぞれ特徴があり、葬儀内容や費用にばらつきがあるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。また、自治体によっては、故人と喪主のどちらがその自治体に住んでいたかによって内容や費用に違いを設けているところもありますので、この点についても比較しておくとよいでしょう。
市民葬・区民葬は、安く葬儀を行いたいという人への選択肢の一つです。
葬儀は、故人と最後のお別れをするための大切な儀式ですので、葬儀の内容や葬儀にかけられる費用などを総合的に考慮した上で、葬儀の方法を選んでみてくださいね。
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